プリウスα ロアボールジョイント交換|車検のブーツ破れを555で交換

タイヤ・足回り
📅最終更新 2026年10月24日(3日前)/公開 2026年10月10日

足回り・車検整備

プリウスα ロアボールジョイント交換|車検のブーツ破れを555で交換

ZVW41W 実車・約12万km/品番・ASSYかブーツだけか・車上でプーラーを使う外し方・締付トルクまで

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車検の見積もりで「ロアボールジョイントのブーツが破れています」と言われて、この記事にたどり着いたプリウスα(プリウスアルファ)のオーナーさんも多いと思います。

今回は、車検で入庫したトヨタ プリウスα(DAA-ZVW41W・2013年7月登録・走行約12万km)のフロント ロアボールジョイントを、左右とも交換しました。車検の点検で右側のブーツが破れて、中のグリスが漏れているのを見つけたのがきっかけです。左側も破れそうな状態だったので、左右まとめて替えています。

部品は三恵工業の「555(スリーファイブ)」SB-T222。左右同じ品番です。作業は、ドライブシャフトが付いたアクスル(ハブまわり)を外さずに、車に付いたままプーラーでナックルから外すやり方で行いました。修理書の手順との違いや、ブーツだけ替えずにASSYごと替えた理由も含めて、実車の写真で解説します。

この記事で分かること

  • プリウスαのフロント ロアボールジョイントの品番(30プリウスとは別品番)
  • ブーツが破れると、なぜ車検に通らないのか
  • ASSYで替えるか、ブーツだけ替えるか
  • 車上でプーラーを使って外す手順と、締付トルク
  • 片側だけ替えるか、左右まとめて替えるか

今回の車両と交換部品

項目 内容
車種・型式 トヨタ プリウスα DAA-ZVW41W
初度登録 2013年7月
走行距離 約12万km
入庫理由 車検
交換理由 右側のロアボールジョイントのブーツ破れ・グリス漏れ(車検の点検で発見)。左側も破れそうだったため左右とも交換
使用部品 三恵工業(555)ボールジョイント SB-T222 左右各1個(左右共通)。ナットとコッターピンが付属
純正対応品番 43330-49095(箱のラベルの表記)
作業方法 アクスルは外さず、車上でプーラーを使ってナックルから外した
作業時間 片側 約30分(左右で約1時間)
交換後 ハンドルの位置が少しずれていたため調整
締付トルク ナックル側キャッスルナット 133 N·m(19mm)/ロアアーム側(ボルト1本・ナット2個)89 N·m(17mm)(整備書の規定値)
そろえる工具・部品 ボールジョイントプーラー/トルクレンチ(133N·mが測れるもの)/19mm・17mmのソケット・メガネレンチ/ペンチ(コッターピン用)/ジャッキとウマ(リジッドラック)/新品のコッターピン(SB-T222に付属)

プリウスαZVW41Wに使った555(三恵工業)ボールジョイント SB-T222 の箱。BALL JOINT・MADE IN JAPANの面とラベル面

今回使ったのは、三恵工業の SB-T222 です。左右同じ品番なので、同じ箱を2つ用意しました。箱の中には、ボールジョイント本体と一緒にナットとコッターピンが付属していました。箱には「MADE IN JAPAN」の表記があります。

プリウスαのロアボールジョイント品番|純正対応と社外品

555 SB-T222 の箱ラベル2個分。品番SB-T222と純正対応品番43330-49095、1PCの表記

箱のラベルには、品番「SB-T222」と、対応する純正品番「43330-49095」が印字されています。

区分 品番 備考
純正対応品番 43330-49095 SB-T222の箱のラベルの表記
555(三恵工業)ASSY SB-T222 今回使用。フロント ロア・左右共通。販売店の適合表示はZVW40W・ZVW41W(2011年4月〜2021年3月)
大野ゴム(ブーツ単体) DC-1168 ボールジョイントのダストブーツだけの社外品(販売店の適合表示はZVW40W・ZVW41W)

⚠️ 今回確認できたのは、2013年7月登録のZVW41Wに SB-T222 がそのまま付いたところまでです。前期・後期や5人乗り・7人乗りで品番が変わらないかは、純正カタログでは確認できていません。通販で買う前に、車検証の型式と車台番号を控えて、部品商かディーラーで照合してもらうのが確実です。

品番や適合車種は、プロメンテの部品データベースでも調べられます。SB-T222 も実物写真つきで登録しています。

▶ 車種別 部品データベース(品番・適合・実物写真)

30プリウスとは品番が違うので注意

通販で「プリウス ボールジョイント」と検索すると、30プリウス(ZVW30)用の部品もたくさん出てきます。ですが、30プリウス用は555が SB-T522、純正対応品番が 43330-49185(販売店の表示)で、プリウスα用とは別の品番です。

同じ「プリウス」の名前が付いていても、プリウスαのロアボールジョイントは別物です。商品名に「プリウスα」「ZVW40W/ZVW41W」と書かれているか、品番がSB-T222になっているかを必ず確かめてください。

555(三恵工業)を選んだ理由

「足回りの部品を社外品にして大丈夫?」という不安はもっともです。今回555にしたのは、次の理由からです。

① 日本の足回り部品メーカーの製品:整備工場でも普通に使われているブランドで、箱にも「MADE IN JAPAN」とあります
② 左右共通で、ナットとコッターピン付き:同じ品番を2個頼めば済みます
③ 箱に純正対応品番が書いてある:注文前に、純正品番で照合しやすいです

逆に、足回りの部品で激安の無名ブランド品は避けてください。ロアボールジョイントは、タイヤとハブを支えるナックルと、ロアアームをつなぐ関節です。ここが走行中に外れると、車はまともに走れなくなります。

交換用のロアボールジョイントを探す

今回使った 555(三恵工業)SB-T222。左右共通なので、2個セットの販売もあります。

⚠️ 購入前に車検証の型式・車台番号で適合の確認を。

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ボールジョイントのブーツが破れると、なぜ車検に通らないのか

ロアボールジョイントは、ナックル(タイヤとハブを支える部品)とロアアームをつなぐ関節です。ハンドルを切ったり、路面の凸凹でタイヤが上下したりしても、なめらかに動けるようになっています。関節はゴムのブーツ(ダストカバー)で覆われ、中にグリスが入っています。

プリウスαZVW41Wのフロント ロアボールジョイント(交換前・下から)。ブーツが裂けて黒いグリスがはみ出している

今回の車の右側を下から見たところです。写真の上がナックルで、コッターピン(割りピン)の入ったナットでボールジョイントの軸が留まっています。下の黒い腕がロアアームで、ボールジョイント本体はボルトとナットでロアアームに留まっています。

プリウスαZVW41Wのロアボールジョイント(交換前)。破れたブーツから黒いグリスが垂れ、ナックルの下側にも付いている

角度を変えるとよく分かります。ブーツが裂けて、中の黒いグリスが外にはみ出し、ナックルの下側まで付いています。これが車検の点検で見つかった状態です。

ブーツが破れると、破れ目からグリスが出ていき、代わりに雨水と砂が入ります。そのうち関節が減ってガタが出てきます。

車検の基準(道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第173条第2項)では、第六号でサスペンション・アーム等のアーム類等のダスト・ブーツに損傷があるものは基準に適合しないとされています。条文に「ボールジョイント」という言葉は出てきませんが、ボールジョイントのブーツはこの「アーム類等のダスト・ブーツ」として見られます。また第五号では、アーム類の損傷や、取付部に著しいがたがあるものも不適合とされています。

私が検査員をしていた頃も、下回り検査でよく見ていた場所です。「まだ音は出ていないから大丈夫」ではなく、破れていたら通らないと考えてください。

車検のタイミングで替えるのが得な理由

ブーツ破れに気づいたら早めに直すのが基本ですが、整備士の立場から言うと、車検と同じタイミングで替えると工賃を抑えやすいです。

車検では、もともと車を上げて下回りを点検し、サイドスリップテスター(タイヤの横滑りの量を測る検査機器)にも乗せて検査します。足回りの部品を替えるなら、そのあと確認する工程まで車検の流れの中で一緒に済ませられるので、別の日に単独で頼むより手間が重なりません。そのぶん工賃も安く済むことが多い、というのが現場の感覚です。

今回の車も車検での交換だったので、交換後は車検の検査の流れでサイドスリップテスターに乗せて確認できます。交換後のアライメントの考え方は、下の「よくある質問」で書いています。

ブーツ破れと車検の関係は、スタビリンクの実例でも詳しく書いています。

▶ ウィッシュ スタビリンク交換|ブーツ破れは車検で落ちる

ASSYで替えるか、ブーツだけ替えるか

ロアボールジョイントのブーツには、大野ゴムの DC-1168 のようなブーツ単体の社外品もあります。「破れたのはゴムだけだから、ブーツだけ替えれば安く済むのでは?」と考える方も多いと思います。

結論から言うと、今回はボールジョイントASSY(本体ごと)で交換しました。理由は2つです。

① 修理書の点検要領が「ASSY交換」:整備書(修理書)では、ダストカバーに亀裂やグリス漏れがあれば、新品のロアボールジョイントASSYに交換するよう書かれています
② 作業の手間がほとんど変わらない:ブーツだけ替える場合も、ボールジョイントをナックルから切り離すところまでは同じです。それならASSYで替えたほうが、中の関節まで新品になります

修理書には、ボールジョイント本体の点検基準も載っています。外したジョイントを固定して軸を回し、回転トルク(回すのに必要な力)が 0.98〜3.43 N·m に入っていること、回したときに引っかかりやガタが無いことが条件です。外れていれば、これも新品ASSYに交換です。

ブーツが破れてグリスが抜け、水や砂が入ったジョイントは、見た目では中の状態が分かりません。ブーツだけ新しくしても、中が傷んでいればいずれやり直しになります。手間が同じなら、ASSYで替えるのが確実というのが、今回の判断です。

プリウスαのロアボールジョイント交換手順

⚠️ 安全のために ジャッキアップした車の下にもぐる作業です。必ずウマ(リジッドラック)をかけ、ジャッキだけで支えた状態で下に入らないでください。輪止めも忘れずに。ボールジョイントのすぐそばにはドライブシャフトのブーツがあります。プーラーや工具で傷つけないよう注意してください。

修理書の手順と、今回のやり方の違い

整備書(修理書)の取り外し手順は、先にフロントアクスル(ハブまわり)を車から外し、作業台のバイスに固定してから、専用工具(SST)でボールジョイントを抜く流れです。ボールジョイントを付けたまま車から外すぶん、手順は多くなります。

今回は、アクスルは外さず、車に付いたままプーラーを使ってナックルから外しました。外したボールジョイントは捨てる部品なので、ねじ山やブーツが傷むことを気にせずプーラーを使えます。そのため作業が早く、片側30分ほどで終わりました。

⚠️ このやり方は交換する(旧品を捨てる)からこそです。ボールジョイントを再使用する場合や、ほかの整備でナックルから切り離すだけの場合は、ねじ山やブーツを傷めない方法を選んでください。

1. 前側を上げて、ホイールを外す

車を上げてウマをかけ、前のタイヤを外します。ホイールを外すと、ナックルの下側にボールジョイントが見えるようになります。

2. コッターピンを抜き、キャッスルナットを緩める

ナックル側の軸の先には、溝の入ったナット(キャッスルナット)があり、コッターピンで抜け止めされています。ペンチでコッターピンの先を伸ばして抜き、19mmのキャッスルナットを緩めます。外したコッターピンは再使用しません。今回はSB-T222に新品のナットとコッターピンが付属していたので、それを使いました。

3. プーラーでボールジョイントをナックルから外す

ボールジョイントの軸は、ナックルの穴にテーパー(先細りの形)でしっかりはまっています。ナットを緩めただけでは抜けないので、ボールジョイントプーラーで押し出して切り離します。

近くにドライブシャフトのブーツがあるので、プーラーをかける向きに気をつけてください。

4. ロアアーム側のボルト・ナットを外す

ボールジョイント本体は、ロアアームにボルト1本とナット2個で留まっています(交換前の写真で、ロアアームの下側に見えているボルト・ナットです)。サイズは17mmです。これを外せば、ボールジョイントが車から外れます。

5. 新品を付けて、規定トルクで締める

新品のボールジョイントをロアアームに付け、軸をナックルの穴に通して、それぞれ規定トルクで締めます。締付トルクは整備書の規定値で、次のとおりです。

締める場所 締付トルク 注意点
ナックル側 キャッスルナット(19mm) 133 N·m ねじ部とテーパー部に油やグリスを付けない。新品のコッターピンを使う(SB-T222に付属)
ロアアーム側(ボルト1本・ナット2個/17mm) 89 N·m 3か所とも同じ値

⚠️ コッターピンの穴合わせは「締める方向」で。キャッスルナットを133N·mで締めたあと、ナットの溝とコッターピンの穴が合わないときは、60°以内で増し締めして合わせます。緩める方向に戻して合わせるのはNGです。コッターピンを差したら、先を曲げて抜けないようにします。

プリウスαZVW41Wのフロントに新品の555ボールジョイントSB-T222を取り付け、防錆剤を吹いた状態(交換後)

交換後です。新品の555 SB-T222を取り付け、防錆剤を吹いた状態です。新品はブーツにハリがあり、破れもありません。

ネットでは、30プリウスの値として別の締付トルクが紹介されていることがあります。ですが、前に書いたとおりプリウスαと30プリウスはボールジョイント自体が別品番です。型の違う車の数値は流用しないでください。

最後にホイールを付け、ホイールナットも取扱説明書の規定トルクで締めて完了です。

よくある質問

Q1. 片側だけの交換でもいいですか?

経年劣化なら左右まとめてをおすすめします。今回の車も、破れていたのは右側だけでしたが、左側もブーツが破れそうな状態だったので、左右とも交換しました。同じ年数・同じ距離を走っているので、片側が破れていれば反対側も寿命が近いと考えてください。ぶつけて片側だけ壊したような場合は、その1個だけでも構いません。

Q2. ボールジョイントのガタは自分で確認できますか?

車を上げてタイヤを浮かせ、タイヤの上下(12時と6時の位置)を持って揺すると、ガタがあるかどうかの目安になります。ただ、ガタはハブベアリングなどほかの部品から出ることもあるので、揺すり方での切り分けが必要です。点検のやり方は、NV350キャラバンの実例で詳しく書いています。

▶ NV350キャラバン ロアボール交換&タイロッドブーツ|4WDは見た目以上に大変

Q3. DIYでできますか?

車を安全に上げられる場所、ボールジョイントプーラー、133N·mまで測れるトルクレンチがそろえば、作業としてはできます。どれかが無い場合は、無理をせず整備工場に依頼してください。ロアボールジョイントは、外れればそのまま事故につながる部品です。

なお、他人の車を報酬を得て整備するには、国の認証を受けた工場である必要がある作業があります。足回りはその対象になる部品が多い場所なので、仕事として請け負う場合は注意してください。

Q4. ブーツが破れたまま乗り続けるとどうなりますか?

破れ目からグリスが抜け、雨水や砂が入って関節が減っていきます。やがてガタが出て、車検では「取付部の著しいがた」としても不適合になります。そもそもブーツが破れていれば車検に通らないので、見つかった時点で交換を考えてください。

Q5. 交換したらアライメント調整は必要ですか?

交換後にアライメント調整(タイヤの向きの測定・調整)をするのは、もちろん良いことです。ただ、そのぶん費用は高くなります。そのため現場では、サイドスリップテスターでの点検だけ行う、という選択がいちばん多いのが実感です。サイドスリップテスターは、車をまっすぐ通過させたときのタイヤの横滑りの量を測る機器で、車検でも必ず検査する項目です。

今回のように車検のタイミングで交換すれば、検査の中でこの確認まで済みます。点検でハンドルのセンターずれや片減りなど気になる点があれば、アライメント調整を考えてください。今回の車も、交換後にハンドルの位置が少しずれていたので調整しました。

まとめ

・プリウスα(ZVW41W)のフロント ロアボールジョイントは左右共通。555 SB-T222/純正対応 43330-49095
・30プリウス用(SB-T522/43330-49185)とは別品番。買い間違いに注意
・ブーツが破れていると車検は通らない。今回は右側が破れてグリスが漏れていた
・修理書の点検要領はブーツの亀裂・グリス漏れでASSY交換。手間もほぼ同じなのでASSYで替えた
・今回はアクスルを外さず、車上でプーラーで外した(旧品を捨てるからできる方法)。片側約30分
・締付はキャッスルナット(19mm)133N·m/ロアアーム側(17mm)89N·m(整備書の規定値)。コッターピンは新品(SB-T222に付属)、穴合わせは60°以内の増し締め方向で

同じ「車検のブーツ破れ」で、足回りのボールジョイント部品を555で替えた実例はこちらです。

▶ 50プリウス スタビリンク交換|車検のブーツ切れを555で交換

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▶ 【プリウスα ZVW41】駆動用電池の警告は冷却ファン詰まり|29万km実車で解説

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▶ 車検で落ちる本当の理由 15選|元検査員・1級整備士が本音で解説

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この記事を書いた人

整備士 nao(ナオ)

1級自動車整備士・元自動車検査員|整備歴15年。ディーラーで整備士から自動車検査員までを経験し、現在は民間整備工場で日々現場作業を続けています。「家族にすすめられる整備情報だけを発信する」がモットー。
国家1級整備士
元自動車検査員
整備歴15年

本記事の内容は整備マニュアル・メーカーサービス情報・現場経験に基づき執筆。プロメンテ(sps-nk.com)では実車写真と動画を交えた一次情報を発信しています。

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