ハイエース200系 2KD・1KDファンベルト交換|品番7PK1475

エンジン
📅最終更新 2026年10月21日(6日前)/公開 2026年10月7日

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エンジン整備・実車解説

ハイエース200系 2KD・1KDファンベルト交換|品番7PK1475

KDH205V(2KD・2.5L)とKDH206V(1KD・3.0L)の実車で、品番の選び方・交換の流れ・1GDとの違いを1級整備士が解説

こんにちは、1級自動車整備士のnaoです。

今回はハイエース200系のKDH205V(2006年9月初度登録)が入庫しました。エンジン始動時にベルトが鳴いていたため、ファンベルトを交換しています。エンジンは2KD-FTV(2.5Lディーゼル)です。

ハイエースのファンベルトは、エンジンの種類でベルトの品番がまったく違います。現行の1GD-FTV(2.8L)用のベルトは7PK2130ですが、今回の2KD-FTVに付いたのは7PK1475。長さが600mm以上違うので、ネットで「ハイエース ファンベルト」と調べて出てきた品番をそのまま買うと、まず付きません。この記事では、実車で確認した品番と、交換の流れを写真で解説します。

ハイエース KDH205V(2KD-FTV)のファンベルトとプーリー、テンショナーを車体の下から見上げたところ
KDH205Vのベルト周りを下から見上げたところ。溝付きのプーリーと平らなプーリーにベルトが掛かっている(筆者撮影・実車)

この記事でわかること
✅ 自分のハイエースが2KD・1KD・1GDのどれかを見分ける方法
✅ 2KD-FTV(KDH205V)で実際に使ったベルトの品番と読み方
✅ ファンベルトとタイミングベルトの違い(2KDは両方ある)
✅ オートテンショナーを緩めてベルトを掛け替える流れ
✅ ベルト交換のついでに見ておきたい部品

まず確認:あなたのハイエースのエンジンはどれ?

200系ハイエースのディーゼルは、年式によってエンジンが変わっています。ファンベルトの品番もエンジンで変わるので、部品を買う前にここを必ず確認してください。

エンジン 主な型式 ファンベルト この記事の対象
2KD-FTV(2.5L) KDH200・KDH205 など(2004年8月〜の初期型) 7PK1475(今回の実車で確認) ◎ この記事
1KD-FTV(3.0L) KDH201・KDH206 など 7PK1475(H27年式KDH206Vの実車で確認) ○ 下の「1KDの場合」で解説
1GD-FTV(2.8L) GDH201・GDH206 など(2017年12月〜) 7PK2130 → 1GDの交換記事

一番確実なのは、車検証の「原動機の型式」欄を見ることです。「2KD」「1KD」と書いてあればこの記事の対象、「1GD」なら上の表のリンク先の記事を見てください。型式(車検証の「型式」欄のKDH205Vなど)だけでも見当はつきますが、エンジン名で確認するのが間違いありません。

⚠️ 1KDも7PK1475?年式で違う可能性があります
その後、1KD-FTVのKDH206V(平成27年11月初度登録)でも、部品商が車台番号で照会したベルトは7PK1475で、実車に取り付けて問題ありませんでした。一方で、ネットの適合表では2013年12月以前の1KDに7PK1473Eを載せているものもあります。年式や寒冷地仕様などで種類が分かれることがあるので、部品商かディーラーに車台番号を伝えて照会してから注文してください。

今回使ったベルト:バンドー リブエース・エコ 7PK1475

今回の交換で使ったのは、バンドー化学の「リブエース・エコ」7PK1475です。部品商から取り寄せたもので、袋のラベルで品番を確認しています。

バンドー リブエース・エコ 7PK1475の袋ラベルと新品のファンベルト
バンドー リブエース・エコ 7PK1475。袋のラベルに品番がそのまま印字されている(筆者撮影・実物)

「7PK1475」という品番の読み方も覚えておくと便利です。

表記 意味
7 リブ(ベルトの内側の山)の本数が7本
PK 自動車用のVリブドベルト(山が何本も並んだ平たいベルト)の規格
1475 ベルトの長さ(有効長)が1475mm

リブの本数・規格・長さの3つが合っていれば、メーカーが違っても同じサイズのベルトです。逆に言うと、1GD用の7PK2130とは長さが655mmも違うので、「同じハイエースだから」と流用はできません。

今回の車両で使った部品は、プロメンテの車種別 部品検索データベースにも実車確認済みのデータとして登録しています。

ファンベルトとタイミングベルトは別の部品です

ハイエースのベルトで検索すると「タイミングベルト」の話もたくさん出てきます。ここは混同しやすいので整理しておきます。

ファンベルト(今回交換) タイミングベルト
場所 エンジンの外側。プーリーに掛かっているのが見える エンジン前側のカバーの中。外からは見えない
役目 補機(エンジンの回転で動かす周りの部品)を回す エンジン内部のカムシャフトを回す
2KD-FTV あり(7PK1475) あり(別作業で交換)
1KD-FTV あり(7PK1475・H27年式の実車) あり(別作業で交換)
1GD-FTV あり(7PK2130) なし(チェーン式)

⚠️ ファンベルトを換えても、タイミングベルトは換わっていません
2KD-FTVと1KD-FTVはタイミングベルトを使うエンジンです。今回の7PK1475は外側のファンベルトだけで、タイミングベルトの交換はまったく別の作業になります。中古で2KDのハイエースを買った方は、タイミングベルトの交換記録(整備記録簿やエンジンルーム内の交換ステッカー)も別に確認しておきましょう。

ファンベルトの交換時期:状態を見て判断する

ファンベルトはゴム製品なので、距離が伸びるほど、年数がたつほど劣化します。交換の判断は、ベルトの状態を目で見て決めるのが基本です。

🔧 こんな状態なら交換
① リブ(山)の側にひび割れがある
② リブが欠けている・ちぎれている
③ リブがすり減って山が低く(痩せて)いる
④ エンジンをかけたとき・エアコンを入れたときに「キュルキュル」と鳴く

ひび割れがどの程度なら交換すべきかは、ファンベルトのひび割れは交換すべきか|フィットGK3実車で写真つきで解説しています。車種は違いますが、見るところは同じです。

実車で見るベルト周り

ハイエース200系はエンジンが運転席・助手席の下にある構造なので、乗用車のように「ボンネットを開ければベルトが全部見える」とはいきません。今回の交換作業は、助手席シートを上げて、上から行いました(シートは固定金具2か所を外すだけで上がります)。下の写真は、ベルト周りの様子が分かるように車体の下側から見上げて撮ったものです。

ハイエース KDH205Vのファンベルト周りの全景。複数のプーリーにベルトが掛かっている
ベルト周りの全景。プーリーが何段にも並び、ベルトが順番に掛かっている(筆者撮影・実車)

写真を見ると分かるとおり、プーリーには溝が付いたものと表面が平らなものがあります。基本的に、溝付きのプーリーにはベルトのリブ側(内側)、平らなプーリーにはベルトの背中側(外側)が当たります。ベルトを掛け直すときにこの向きを間違えると付かないので、外す前に掛かり方を写真に撮っておくのが大事です。

なお、今回の車両のファンベルトは1本でした(筆者が現車で確認)。部品通販の適合表にも「ファン&パワステ&クーラー兼用(1本がけ)」と載っているものがあります。ただし寒冷地仕様やリヤクーラー付きなど、仕様によってベルトの構成が変わる可能性があるので、部品を買う前に自分の車のベルトの本数を確認しておきましょう。

ファンベルト交換の流れ

🚨 作業前に必ず守ってください
・エンジンを止めて、キーを抜いた状態で作業する
・エンジンが冷えてから作業する(排気系やエンジン本体が高温です)
・ベルト交換は助手席シートを上げて、上から行います(車の下に潜る作業はありません)

STEP1:ベルトの掛かり方を撮影しておく

外す前に、どのプーリーにどちら側の面が掛かっているかをスマホで何枚か撮っておきます。上から・下からと角度を変えて撮っておくと、組むときに迷いません。

STEP2:オートテンショナーを回してベルトを緩める

2KD-FTVのファンベルトはオートテンショナー(バネの力でベルトを自動で張る部品)で張られています。今回の実車では、テンショナーに14mmのディープソケットとレンチを掛けて回しました。今回は上から作業し、レンチを時計回りに回すと緩みました(ベルトの張りが抜けました)。バネの力に逆らって回すと、ベルトの張りが抜けて外せるようになります。

ハイエース KDH205Vのオートテンショナーに工具を掛けてファンベルトを緩めているところ
テンショナーに14mmのディープソケットとレンチを掛けてベルトの張りを抜いているところ。作業は助手席シートを上げて上から行い、写真は車体の下側から撮影(筆者撮影・実車)

⚠️ テンショナーのバネはかなり強い
テンショナーは常にベルトを強く張っている部品なので、回すにはそれなりの力が要ります。柄の長い工具を使うと楽です。ベルトを外したあとに工具から急に手を離すと、テンショナーが勢いよく戻るので、ゆっくり戻すようにしてください。

STEP3:新しいベルトを掛ける

STEP1で撮った写真を見ながら、各プーリーにベルトを掛けていきます。最後にもう一度テンショナーを回して張りを抜き、残りのプーリーに掛けます。

掛け終わったら、すべてのプーリーでベルトのリブが溝にきちんと収まっているかを確認してください。1山ずれたまま(リブが溝から半分はみ出したまま)エンジンをかけると、ベルトが外れたり、すぐに傷んだりします。

STEP4:テンショナーを戻して、エンジンをかけて確認

テンショナーをゆっくり戻すと、バネの力でベルトが自動的に張られます。オートテンショナーなので、張り具合を調整する作業はありません。

工具やウエスを置き忘れていないか確認してからエンジンをかけ、離れた位置からベルトがまっすぐ回っているか、異音がないかを確認して完了です。今回の実車では、交換作業そのものは約10分でした。

1KD(KDH206V)の場合:手順と掛け方のコツ

1KD-FTV(3.0L)のハイエースも、ファンベルトはオートテンショナーで張られていて、交換の流れは2KDとほぼ同じです。平成27年11月初度登録のKDH206Vで、タイミングベルトと同時に交換したときの内容をまとめます。使ったベルトは2KDと同じバンドー リブエース・エコ 7PK1475でした。

ハイエースKDH206V(1KD-FTV)のファンベルトのテンショナプーリー。中心のボルトを丸で囲み14mmと記入
KDH206V(1KD)のファンベルトのテンショナプーリー(丸印)。中心のボルトに14mmを掛けて時計方向に回す(筆者撮影・実車)
ハイエースKDH206V(1KD-FTV)のファンベルトのテンショナーに工具を掛けて緩めているところ
KDH206V(1KD)のテンショナーに工具を掛けて緩める。今回は14mmで回した(筆者撮影・実車)
  1. テンショナープーリー中心のボルトに工具(今回の実車では14mm)を掛け、時計方向に回して張りを抜き、ベルトを外す
  2. 新しいベルトをアイドラプーリーNo.2以外のプーリーに掛ける
  3. テンショナーを時計方向に回した状態で、最後にアイドラプーリーNo.2へ掛ける
  4. 各プーリーの溝にベルトが正しく乗っているか、テンショナーのインジケーターマークが規定の範囲内にあるかを確認する

🔧 現場メモ(整備士nao)

ベルトは最後に掛ける所を残して先に掛けておきます。テンショナーに14mmのディープソケットを掛け、時計回りに回して緩めた状態のまま、最後の1か所にベルトを入れると楽に掛かります。

ハイエースKDH206V(1KD-FTV)のファンベルトを最後に掛けるところ。テンショナーに掛けた14mmのディープソケットを丸で囲んでいる
ファンベルトを最後に掛けるところ。14mmのディープソケットでテンショナーを時計回りに回して緩めた状態で、ベルトを入れる(筆者撮影・実車)

整備書の掛け回し図では、ベルトはクランク、ウォーターポンプ、エアコンのコンプレッサー、アイドラプーリーNo.2、テンショナーなどに掛かっています。1KDはウォーターポンプをこのファンベルトで回しているので、ベルトが切れるとオーバーヒートにもつながります。ひび割れや鳴きが出ていたら早めに交換しましょう。

KDH206V(1KD-FTV)から外した古いファンベルトとタイミングベルトを並べたところ
KDH206Vから外した古いベルト。外側の平たいのがファンベルト、内側の歯付きがタイミングベルト(筆者撮影)

1KDはタイミングベルトの交換とセットがおすすめ
1KDのタイミングベルト交換は、ファンベルトを外さなくても作業できます。ただ、タイミングベルトカバーを外したときは作業スペースが広く取れるので、ファンベルトもこのタイミングで一緒に交換すると効率的です。タイミングベルトの交換手順は1KDのタイミングベルト交換記事で解説しています。

交換のついでに見ておきたい部品

ベルトを外したときにしかできない点検があります。テンショナーのプーリーと、アイドラプーリー(ベルトの通り道を作る平らなプーリー)を手で回してみてください。

🔧 プーリーを手で回して確認すること
・回したときにゴロゴロ・ザラザラした感触がないか
・ガタ(横に揺すったときの遊び)がないか
・グリスがにじみ出ていないか
どれかに当てはまれば、中のベアリングが傷んでいるサインです。新しいベルトに替えても、プーリーが傷んでいると異音やベルトの早期劣化につながります。

今回の車両は、外したときにテンショナー・アイドラプーリーともにガタやゴロつきはありませんでした。

今回いっしょに交換した部品

今回のハイエースは、ファンベルトと同時にブレーキパッドとエアエレメントも交換しました。品番は次のとおりです(すべてKDH205Vの実車で使ったものです)。

部品 品番 メーカー
ファンベルト 7PK1475 バンドー(リブエース・エコ)
フロントブレーキパッド AN-707K 曙ブレーキ
エアエレメント(エアクリーナー) TO-1834F 東洋エレメント

ほかの型式の品番も、車種別 部品検索データベースで車種・型式から調べられます。

交換に使うベルト

ベルトはバンドー・三ツ星といった国産メーカーを選べば安心です。注文前に、車検証の「原動機の型式」が2KDか1KDであることを確認してください。

ファンベルト(7PK1475)

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よくある質問

Q1. 1GDのハイエースと同じベルトは使えますか?

使えません。1GD-FTVは7PK2130、今回の2KD-FTVは7PK1475で、長さが655mm違います。車検証の「原動機の型式」でエンジンを確認してから部品を選んでください。1GDの交換手順はハイエース ファンベルト交換|1GD実車で手順とコツを解説にまとめています。

Q2. 張り具合の調整は必要ですか?

不要です。2KD-FTVのファンベルトはオートテンショナーで張られているので、テンショナーを戻せば自動で適正な張りになります。

Q3. ファンベルトを換えればタイミングベルトも換わりますか?

換わりません。2KD-FTVと1KD-FTVのタイミングベルトはエンジン前側のカバーの中にある別の部品で、交換は別作業です。1KDのタイミングベルト交換はハイエース タイミングベルト交換|1KD実車で手順と警告灯リセットで、写真付きで解説しています。

Q4. 1KD(3.0L)のハイエースも7PK1475ですか?

平成27年11月初度登録のKDH206V(1KD-FTV)では7PK1475でした(部品商の車台番号照会・実車に取り付けて確認)。ただ、2013年12月以前の1KDには7PK1473Eを載せている適合表もあるので、1KDの車は車台番号で照会してから注文してください。

まとめ

✅ ハイエース200系のファンベルトはエンジンで品番が違う。まず車検証の「原動機の型式」を確認
✅ 2KD-FTV(KDH205V)は7PK1475を実車で確認。1GDの7PK2130とは長さが655mm違う
✅ 1KD-FTV(KDH206V・H27年式)も7PK1475だった。古い年式は7PK1473Eの情報もあるので車台番号で照会
✅ 2KDはタイミングベルトも別にある。ファンベルト交換とは別作業
✅ オートテンショナーなので張り調整は不要。外す前に掛かり方を撮影しておく
✅ ベルトを外したらテンショナーとアイドラプーリーを手で回して点検

2KDのハイエースは初度登録からかなりの年数がたっている車が多く、ベルトもゴムの劣化が進んでいることがよくあります。次の点検やオイル交換のときに、一度ベルトの状態を見てあげてください。

ハイエースの整備は、ほかの記事でも実車で解説しています。

🚐 ハイエース(200系)の整備記事まとめ|1級整備士の実車記録

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この記事を書いた人

整備士 nao(ナオ)

1級自動車整備士・元自動車検査員|整備歴15年。ディーラーで整備士から自動車検査員までを経験し、現在は民間整備工場で日々現場作業を続けています。「家族にすすめられる整備情報だけを発信する」がモットー。
国家1級整備士
元自動車検査員
整備歴15年

本記事の内容は整備マニュアル・メーカーサービス情報・現場経験に基づき執筆。プロメンテ(sps-nk.com)では実車写真と動画を交えた一次情報を発信しています。

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