足回り・車検整備
50プリウス スタビリンク交換|車検のブーツ切れを555で交換
ZVW50 実車/品番・締付トルク・共回りした時の外し方まで
※本記事はアフィリエイト広告(楽天市場・Yahoo!ショッピング)を含みます。
車検の見積もりで「スタビライザーリンクのブーツが切れています」と言われて、この記事にたどり着いた50プリウスのオーナーさんが多いと思います。
今回は、車検で入庫したトヨタ プリウス(ZVW50・2017年登録)のフロントスタビリンクを、左右2本とも交換しました。理由は、左右とも上側(ショックアブソーバー側)のボールジョイントのブーツが切れていて、そのままでは車検に通らなかったからです。
部品は三恵工業の「555(スリーファイブ)」SL-A110-M。左右同じ品番で、ナットも付いてきます。作業は上下のナットを外すだけですが、今回もナットが軸ごと空回りする「共回り」が出ました。段差での「コトコト音」の原因にもなる部品なので、音が気になっている方も参考にしてください。その外し方も含めて、実車の写真で解説します。
この記事で分かること
- 50プリウスのフロントスタビリンクの品番(純正・555とも左右共通)
- ブーツが切れると、なぜ車検に通らないのか
- 締め付けトルクと、そろえる工具
- ナットが共回りして緩まない時の外し方
- 片側だけ替えるか、左右まとめて替えるか
今回の車両と交換部品
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車種・型式 | トヨタ プリウス DAA-ZVW50(50系・2WD・1.8L ハイブリッド) |
| 初度登録 | 2017年9月 |
| 交換理由 | 左右とも上側ボールジョイントのダストブーツ切れ(車検で不適合) |
| 使用部品 | 三恵工業(555)スタビライザーリンク SL-A110-M 左右各1本(左右共通) |
| 純正品番 | 48820-47040(フロント・左右共通) |
| ナット | 二面幅17mm(555の付属ナットも17mmでした) |
| 締付トルク | 74 N·m(上側・下側とも同じ) |
| そろえる工具 | 17mmのソケット・メガネ/六角レンチ(軸の回り止め用・部品の六角穴に合うサイズ)/トルクレンチ(74N·mが測れるもの)/今回はロッキングプライヤー(バイスグリップ)も使用 |
今回使ったのは、三恵工業の SL-A110-M です。箱のラベルにも、対応する純正品番「48820-47040」が印字されています。
50プリウスのスタビリンク品番|純正と社外品
| メーカー | 品番 | 備考 |
|---|---|---|
| トヨタ純正 | 48820-47040 | フロント・左右共通 |
| 555(三恵工業) | SL-A110-M | 今回使用。左右共通・ナット付き。販売店の適合表示はZVW50/51/55 |
| GMB | GSL-T-52 | フロント・左右共通(販売店の表示) |
⚠️ 今回の車(2017年登録の2WD)には SL-A110-M がそのまま付きました。ただ、後期型やE-Four(4WD)まで全部同じ品番かどうかは、国内の純正カタログでは確認できていません。通販で買う前に、車検証の型式と車台番号を控えて、部品商かディーラーで照合してもらうのが確実です。
555(三恵工業)を選んだ理由
「社外品の足回り部品で大丈夫?」という不安はもっともです。今回555にしたのは、次の理由からです。
① 日本の足回り部品メーカーの製品:整備工場でも普通に使われているブランドです
② 左右共通でナット付き:同じ品番を2本頼めば済みます
③ ナットのサイズが純正と同じ17mm:社外品の中には、付属ナットのサイズが純正と違って工具を持ち替えることになる物もあります
逆に、足回りの部品で激安の無名ブランド品は避けてください。スタビリンクが走行中に外れると、車の傾きを抑える働きがなくなります。
交換用のスタビライザーリンクを探す
今回使った 555(三恵工業)SL-A110-M。左右共通なので、2本セットの販売もあります。
⚠️ 購入前に車検証の型式・車台番号で適合の確認を。
▼ Yahoo!ショッピング派の方はこちら
スタビリンクのブーツが切れると、なぜ車検に通らないのか
スタビライザーリンクは、左右のサスペンションとスタビライザー(車体の傾きを抑える棒)をつなぐ、細い棒状の部品です。両端がボールジョイントという関節になっていて、関節はゴムのブーツで覆われ、中にグリスが入っています。
実車ではこの位置です。タイヤの裏側で、上はショックアブソーバーのブラケット、下はスタビライザーの先端にナット1個ずつで留まっています。今回ブーツが切れていたのは、左右とも上側でした。
ブーツが切れると、切れ目からグリスが出ていき、代わりに雨水と砂が入ります。そのうち関節が減ってガタが出て、段差で「コトコト」と音が出るようになります。
車検の基準(道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第173条第2項)では、第六号でサスペンション・アーム等のアーム類等のダスト・ブーツに損傷があるもの、第五号でスタビライザ等に損傷があり、又は取付部に著しいがたがあるものは基準に適合しないとされています。私が検査員をしていた頃も、下回り検査でよく見ていた場所です。「まだ音は出ていないから大丈夫」ではなく、切れていたら通らないと考えてください。
ブーツ破れと車検の関係は、ウィッシュの実例で詳しく書いています。
同じ555のスタビリンクで、170系シエンタを交換した実例はこちらです(締付トルク・共回りしたときの外し方付き)。
▶ シエンタ スタビリンク交換|車検のブーツ破れを555で交換
50プリウスのスタビリンク交換手順
⚠️ 安全のために ジャッキアップした車の下にもぐる作業です。必ずウマ(リジッドラック)をかけ、ジャッキだけで支えた状態で下に入らないでください。輪止めも忘れずに。ハイブリッド車なので、作業前はパワースイッチを切り、オレンジ色の高電圧配線には触らないでください。スタビリンクのすぐ近くにはABSセンサーの配線とブレーキホースが通っています。工具で引っかけないよう注意してください。
1. 前側を左右とも上げて、ホイールを外す
今回は前側を左右とも上げ、ホイールを外して作業しました。片側だけ上げると、スタビライザーがねじれた状態になって力がかかり、新品の軸(スタッド)が穴に入りにくくなります。左右同時に上げるのが基本です。
2. 上下のナットを外す|共回りしたらバイスプライヤーで挟む
ナットは上下とも17mmです。ここで多くの方がつまずくのが、ナットを回してもボールジョイントの軸(スタッド)ごと空回りして緩まない「共回り」です。今回の車も共回りしました。
軸の先端には六角の穴があり、本来はここに六角レンチを差して軸を押さえ、ナットを回します。ただ、狭い場所で六角レンチとメガネレンチを両手で持つのはやりにくく、六角の穴が錆びていると空回りしてなめてしまいます。
そこで今回は、ロッキングプライヤー(バイスグリップ)でボールジョイントの本体をがっちり挟んで回り止めにし、17mmでナットを回しました。こちらの方が確実に早いです。
⚠️ このやり方が使えるのは、そのまま捨てる部品だからです。挟んだ跡が付きますし、関節も傷みます。これから使う新品には絶対にやらないでください。
錆で固着して押さえても回らない場合の対処(インパクトレンチの使い方・浸透潤滑剤)は、ウィッシュの記事にまとめています。
3. 新品を付けて、74N·mで締める
新品を、上はショックアブソーバーのブラケット、下はスタビライザーの先端に通して、付属のナットを締めます。締め付けトルクは上下とも74N·mです。
⚠️ 締めるときも共回りします。新品は挟んで傷めるわけにいかないので、2段階で締めます。
① 軸先端の六角穴に六角レンチを差して押さえ、メガネレンチで仮締めする
② 軸が穴に食い付いて共回りしなくなったら、トルクレンチで74N·mまで本締めする
インパクトレンチで締め込むのは厳禁です。足回りが緩めば、そのまま走行中のトラブルにつながります。
新品はブーツにハリがあります。最後にホイールを付け、ホイールナットも取扱説明書の規定トルクで締めて完了です。
よくある質問
Q1. 片側だけの交換でもいいですか?
経年劣化なら左右まとめてをおすすめします。今回も左右とも上側のブーツが切れていました。同じ年数・同じ距離を走っているので、片側が切れていれば反対側も寿命が近いと考えてください。ぶつけて片側だけ壊したような場合は、その1本だけでも構いません。
Q2. ブーツが切れたまま乗り続けるとどうなりますか?
中に水と砂が入って関節が減り、ガタと「コトコト」音が出ます。さらに進むとボールジョイントが抜ける例もあります。車検に通らないだけでなく、走りの安全にも関わる部品です。
Q3. DIYでできますか?
外すのは上下のナットだけなので、車を安全に上げられる場所とトルクレンチがあればDIYでもできます。どちらかが無い場合は、無理をせず整備工場に依頼してください。部品を持ち込めば工賃だけで済むお店もあります。
Q4. 交換したらアライメント調整は必要ですか?
純正と同じ長さの、長さ調整ができないタイプのスタビリンクなら、交換で車の向き(アライメント)が変わる部品ではありません。調整に出す必要はありません。
まとめ
・50プリウス(ZVW50)のフロントスタビリンクは左右共通。純正 48820-47040/555 SL-A110-M
・ブーツが切れていると車検は通らない。今回は左右とも上側が切れていた
・ナットは17mm(555の付属ナットも17mm)。締め付けは上下とも74N·m
・共回りしたら、捨てる旧品はバイスプライヤーで挟む。新品は六角レンチで押さえる
・前側は左右とも上げて作業する。経年劣化なら左右まとめて交換
品番や適合車種は、プロメンテの部品データベースでも調べられます。
同じ555の足回り部品で、プリウスαのロアボールジョイントを交換した実例はこちらです。
▶ プリウスα ロアボールジョイント交換|車検のブーツ破れを555で交換
車検で指摘されやすい場所をまとめて知りたい方はこちら。
▶ 車検で落ちる本当の理由 15選|元検査員・1級整備士が本音で解説
30系プリウスの足回り整備はこちらです。
▶ 30プリウス フロントショックアブソーバ交換手順|修理書準拠トルク値・注意点まとめ
整備士 nao(ナオ)
元自動車検査員
整備歴15年
本記事の内容は整備マニュアル・メーカーサービス情報・現場経験に基づき執筆。プロメンテ(sps-nk.com)では実車写真と動画を交えた一次情報を発信しています。










コメント