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ハイブリッド・警告灯
フィールダーハイブリッド バッテリー冷却性能低下|原因と消し方
NKE165G 実車・10万km超/後席下の冷却フィルターをシートを外さずに掃除し、それでも消えなかった警告を診断機で消した手順
ある日メーターに「ハイブリッドバッテリ 冷却性能低下 販売店で点検して下さい」と出て、「ハイブリッドバッテリーの交換?高いのでは…」と不安になった方も多いと思います。
今回は、この警告が出たトヨタ カローラフィールダー ハイブリッド(DAA-NKE165G・2014年1月登録・走行10万km超)を点検しました。原因は、駆動用電池(ハイブリッドバッテリー)を冷やす冷却ファンのフィルターの詰まりです。後部座席の下にあるフィルターを掃除機で掃除しました(シートは外していません)。ただし掃除して走っても警告は消えず、診断機でファンの作動を確認してからオールクリアしたら消えました。
警告の意味、フィルターの場所、掃除の手順と消し方を、実車の写真で解説します。
この記事で分かること
- 「ハイブリッドバッテリ冷却性能低下」の警告が出る原因
- フィールダーハイブリッドの冷却フィルターの場所(後部座席・助手席側の下)
- シートを外さずに掃除する手順
- 掃除しても消えなかった警告の消し方と、放置したらどうなるか
今回の車両と警告
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車種・型式 | トヨタ カローラフィールダー ハイブリッド DAA-NKE165G |
| 初度登録 | 2014年1月 |
| 走行距離 | 10万km以上 |
| メーターの表示 | ハイブリッドバッテリ 冷却性能低下 販売店で点検して下さい |
| 原因 | 駆動用電池の冷却ファンのフィルターの詰まり(ほこり) |
| フィルターの場所 | 後部座席の助手席側のシート下(カバーの奥) |
| 対処 | シートは外さず、カバーのクリップを外して掃除機で掃除 → 走行しても警告は消えず → 診断機のアクティブテストでファンが回るのを確認し、オールクリアして消えた(エラーコードは出ていなかった) |
実際にメーターに出ていた表示です。「販売店で点検して下さい」と出るので驚きますが、今回の原因はフィルターの詰まりでした(警告は、掃除のあと診断機で消しています)。
「冷却性能低下」の警告とは
フィールダーハイブリッドの駆動用電池(ハイブリッドバッテリー)は、後部座席の下に積まれています。電池は充電・放電のたびに熱を持つので、車内の空気を冷却ファンで吸い込んで冷やしています。
トヨタの取扱書(2013年8月〜2015年2月生産車用)では、この表示は「駆動用電池の冷却性能が低下」したことを知らせる警告とされています。取扱書には、リヤシート下(左側)に駆動用電池冷却用の吸入口があり、吸入口をふさぐと駆動用電池の過熱や出力低下の原因になるとも書かれています(出典:カローラフィールダー ハイブリッド 取扱書)。
原因の一つとして考えられるのは、吸い込み口やフィルターがほこりで詰まって、電池を冷やす風が足りなくなることです。新しい年式の取扱書でも、この警告の原因として「たまったほこりなどによる吸入口/フィルターの目詰まり」が挙げられています。表示が出た=駆動用電池が故障、とは限りません。
⚠️ 年式で表示の文言が違います 2017年10月以降に生産されたフィールダーハイブリッドの取扱書では、同じ内容の表示が「駆動用電池の冷却部品のメンテナンス必要 取扱書を確認」という文言に変わっています。どちらも駆動用電池の冷却に関する警告で、新しい取扱書では原因として吸入口・フィルターの目詰まりが挙げられています。
冷却フィルターの場所|後部座席・助手席側のシート下
冷却ファンの吸い込み口とフィルターは、後部座席の助手席側の、シートの下にあります。シートの下(足元側)にカバーが付いていて、その奥にあります。
なお、同じトヨタのハイブリッドでもプリウスα(5人乗り)は吸い込み口が運転席側の後席(セカンドシート)の下にあり、左右が逆です(出典:プリウスα 取扱書)。車種によって場所が違うので注意してください。
冷却ファンのフィルター掃除手順(シートは外さない)
⚠️ 安全のために カバーの奥には、高電圧の駆動用電池があります。新しい年式(2022年8月〜2024年2月生産車用)の取扱書では、このカバーを外すときは必ずパワースイッチをOFFにしてハイブリッドシステムを停止するよう書かれています。年式が古くても、必ずOFFにしてから作業してください。掃除するのは吸い込み口のフィルター部分だけにして、オレンジ色の配線(高電圧)や電池本体には触らないでください。今回の年式の取扱書でも、高電圧の配線やコネクターの取り外し・分解は絶対にしないこと、駆動用電池に付いているサービスプラグ(高電圧を遮断する部品)には絶対にさわらないことが書かれています。水や液体での掃除もNGです。新しい取扱書では故障や車両火災のおそれがあるとされ、今回の年式の取扱書でも吸入口に水や異物を入れないよう注意されています。
1. パワースイッチをOFFにする
ハイブリッドシステムを止めて、パワースイッチをOFFにします。
2. シート下のカバーのクリップを外す
後部座席の助手席側、シートの下にあるカバーはクリップで留まっています。このクリップを外せば、シートを外さなくてもカバーを外して奥にアクセスできます。新しい年式の取扱書では、クリップは中央部を押してから引き抜き、カバーはツメでもはまっているので、ツメを外して取り外す手順になっています。ただし、これは新しい年式の取扱書の説明です。今回の年式で同じ形とは限らないので、実車のクリップの形を見て、無理にこじらず外してください。
3. フィルターの詰まりを確認する
カバーを外したところです。シートの下の奥に、丸い冷却ファンの吸い込み口が見えます。その表面に付いているスポンジ状のものがフィルターです。
近づいて見ると、フィルターの表面がほこりで灰色に覆われて、目詰まりしているのが分かります。これでは冷却ファンが十分に空気を吸い込めず、電池を冷やしきれなくなります。
4. 掃除機でほこりを吸い取る
掃除機で、フィルターの表面と吸い込み口まわりのほこりを吸い取ります。
フィルターが破れている場合は、トヨタ販売店で交換してもらってください(新しい年式の取扱書の記載)。
🔧 修理書の清掃の注意(車に付けたまま掃除する場合)
トヨタの修理書(カローラフィールダー/アクシオ ハイブリッド)には、次のように書かれています。
・フィルターの目詰まりは、手で取り除くか、掃除機で吸い取る
・エアーを吹き付けない
・水や液体で洗わない。ワイヤブラシやタワシも使わない
・冷却ファン(バッテリクーリングブロワ)を分解しない。ファンの中に異物を入れない
・汚れがひどいとき・破れているときは、新品に交換する
・フィルターには、テープで貼ってあるタイプ(再使用できない)と、ツメで留まっているタイプがある。テープ式は外さない。外してエアガンで掃除してよいのは、ツメ式だけ
・交換するときは、フロントフロアカバーLH(左側の床のカバー)を外して作業する
5. カバーを戻す
カバーを元の位置にはめ、クリップで固定します。新しい年式の取扱書では、クリップは中央部を押し出してから取り付け部に差し込み、最後に中央部を押して固定する手順です(実車のクリップの形に合わせてください)。
警告の消し方|掃除して走行しても消えない場合は診断機をつなぐ
今回の車では、フィルターを掃除して走っても、警告は消えませんでした。そこで診断機をつなぐと、エラーコードは出ていませんでした。念のため、診断機のアクティブテスト(診断機から部品を強制的に動かす機能)で冷却ファンを動かし、ファンが回ることを確認してからオールクリア(コードの消去)をしたら、警告が消えました。なお、今回確認した取扱書には、この警告のリセット操作は載っていません。
🔧 修理書にも「コードが出ていなくても消去する」とあります トヨタの修理書(カローラフィールダー/アクシオ ハイブリッド NKE16#・2013年8月〜)では、「ハイブリッドバッテリ冷却性能低下」が表示されたときの点検として、①吸気口がふさがれていないか ②ダクトにすき間がないか ③バッテリクーリングブロワ(冷却ファン)のフィルターを清掃(異物が入っていないかも確認)に続いて、④ダイアグコードが記憶されているかどうかに関わらず、コードを消去する(学習値をリセットするため)と書かれています。今回の「エラーコードは出ていないのに、消去したら警告が消えた」は、この手順どおりの結果です。また修理書では、冷却ファン本体に不具合があるときはP0A82・P0A84・P0A85のいずれかのダイアグコードが出るとされています。今回はコードが出ておらず、アクティブテストでもファンが回ったので、ファン本体の故障ではないと判断しました。
🔧 警告の消去に使った診断機
今回の車は、バンザイの診断機 MST3000でダイアグコードを消去しました。同じメーカーの現行機種がMST-8Rです。整備工場向けの本格的な診断機なので、DIYで使う場合は対応車種や機能を販売店に確認してください。
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なお、新しい年式(2017年10月以降の生産車)の取扱書では、フィルターを掃除したあとハイブリッドシステムを始動して表示が消えたことを確認するよう書かれていて、消えるまでに始動後20分ほどかかる場合があるとされています(出典:カローラフィールダー ハイブリッド 取扱書(2017年10月〜))。これは新しい年式の表示についての説明です。今回の年式(2013年8月〜2015年2月生産)の取扱書では、この表示は「ただちにトヨタ販売店で点検を受けてください」の区分です。今回の車も、掃除して走っただけでは消えませんでした。
⚠️ 掃除して走っても消えないときは、診断機のあるトヨタ販売店や整備工場で見てもらってください。今回のように消去で消える場合もありますが、フィルター以外(冷却ファン本体や電池側)に原因がある可能性もあります。
放置するとどうなる?
今回の年式(2013年8月〜2015年2月生産)の取扱書では、この表示は「放置すると、システムが正しく働かず、思わぬ危険や故障を招くおそれがある」ものとして、ただちにトヨタ販売店で点検を受けるよう書かれています。
新しい年式(2017年10月以降)の取扱書では、表示が出たまま走り続けると駆動用電池が過熱するなどして、電気モーターで走れる距離が短くなり、燃費の悪化や故障の原因になると説明されています。
今回は電池の交換などはせず、掃除と診断機での消去だけで済みました。警告が出たら早めに確認するのがいちばんの節約です。
よくある質問
Q1. この警告が出たら、すぐに走るのをやめるべきですか?
取扱書では「ただちに停車してください」の区分ではなく、「ただちにトヨタ販売店で点検を受けてください」の区分の表示です。冷却が足りない状態なので、できるだけ早くフィルターを確認するか、販売店で点検を受けてください。
Q2. どのくらいの頻度で掃除すればいいですか?
フィールダーハイブリッドの取扱書には、掃除の距離の目安は書かれていません。取扱書では、吸入口が目詰まりしないよう定期的に清掃するよう書かれていて、清掃の時期は使用環境などで異なるとされています。点検やオイル交換のついでに、シート下をのぞいてみるのがおすすめです。
Q3. 警告のリセット方法はありますか?
今回確認した取扱書には、リセット操作は載っていません。一方、トヨタの修理書では、この表示が出たらフィルターの清掃などをしたうえで、ダイアグコードの有無に関わらずコードを消去する(学習値のリセット)手順になっています。今回の車は、フィルターを掃除して走っても消えず、診断機のアクティブテストでファンが回るのを確認してから、オールクリアしたら消えました(エラーコードは出ていませんでした)。診断機が手元にない場合は、整備工場や販売店に頼んでください。消去しても再び出る場合は、フィルター以外に原因がある可能性があるので点検を受けてください。
Q4. 吸い込み口をふさがないために気をつけることは?
後部座席の下の吸い込み口の前に、荷物やマットを置かないことです。取扱書でも、吸入口をふさぐと駆動用電池の過熱や出力低下の原因になると注意されています。
Q5. ほかの車でも同じ警告はありますか?
トヨタのハイブリッド車の多くに同じような仕組みがあります。プリウスαで同じ原因の警告が出た実例は、こちらで解説しています。
▶ 【プリウスα ZVW41】駆動用電池の警告は冷却ファン詰まり|29万km実車で解説
まとめ
・「ハイブリッドバッテリ 冷却性能低下」は、駆動用電池の冷却性能が下がったことを知らせる警告
・今回の原因は、後部座席・助手席側のシート下にある冷却フィルターのほこり詰まり(NKE165G・10万km超)
・シートは外さず、シート下のカバーのクリップを外して掃除機で掃除
・掃除して走っても消えず、診断機のアクティブテストでファンが回るのを確認してオールクリアしたら警告は消えた(エラーコードは出ていなかった。修理書でも、コードの有無に関わらず消去する手順)
・作業前はパワースイッチOFF。高電圧部品には触らない・水洗いしない
・掃除しても消えないときは、診断機のある販売店や整備工場で点検を
整備士 nao(ナオ)
元自動車検査員
整備歴15年
本記事の内容は整備マニュアル・メーカーサービス情報・現場経験に基づき執筆。プロメンテ(sps-nk.com)では実車写真と動画を交えた一次情報を発信しています。






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