車検で落ちる本当の理由 15選|元検査員・1級整備士が本音で解説(2026年最新版)

車検・点検
📅最終更新 2026年10月21日(6日前)/公開 2026年5月10日

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  1. はじめに:車検で落ちた、と言われた経験はありませんか
  2. そもそも「車検で落ちる」とは
  3. ① ヘッドライトの光量不足・光軸ズレ
    1. 主な原因
    2. 検査員視点の本音
    3. 対策
  4. ② タイヤの摩耗・スリップサイン露出
    1. 検査員視点の本音
  5. ③ ワイパーの拭き残し・ゴム劣化
  6. ④ ホーンの音量・音色不適合
  7. ⑤ 車高の不適合(特に最低地上高)
    1. 検査員視点の本音
  8. ⑥ マフラーからの排ガス基準値オーバー
    1. 主な原因
  9. ⑦ ブレーキの効き不足・左右差
    1. 検査員視点の本音
  10. ⑧ 灯火類の球切れ(テールランプ・ブレーキランプ・ウインカー)
    1. 検査員視点の本音
  11. ⑨ 後付けパーツによる保安基準違反
    1. 検査員視点の本音
  12. ⑩ オイル漏れ・冷却水漏れ
    1. 主な発生箇所
  13. ⑪ ブーツ類の破れ(ドラシャ・タイロッド・ロアアーム)
  14. ⑫ 警告灯の点灯(エアバッグ・ABS・ブレーキ・エンジンなど)
    1. 検査員視点の本音
  15. ⑬ ナンバープレートの折れ・汚れ・封印破損
  16. ⑭ 速度計(スピードメーター)誤差
    1. 主な原因
  17. ⑮ 発炎筒(非常信号用具)の未搭載・不良
  18. 📋 車検前セルフチェックリスト(コピーして使用OK)
  19. 🔧 整備士naoの本音:費用を抑える3つのコツ
    1. 1. ユーザー車検なら代行手数料のぶん安くなる
    2. 2. 自分でできる事前点検でほぼ防げる
    3. 3. 不合格になっても、その日のうちなら受け直せる
  20. よくある質問
    1. Q. 検査員は冷たい人ばかり?
    2. Q. ユーザー車検は素人には無理?
    3. Q. 警告灯がついた状態で車検場に行ったら?
    4. Q. 「車検残り1ヶ月以上ある場合の前倒し受検」は?
  21. 整備士からのまとめ
    1. 整備士 nao(ナオ)

はじめに:車検で落ちた、と言われた経験はありませんか

「あと少しで通ったのに…」「想定外の追加整備で5万円かかった…」

車検でこんな経験をしたことのある方は、決して少なくありません。私(nao・1級自動車整備士/元ディーラー自動車検査員)は、ディーラー(指定工場)の整備士・検査ライン担当として、15年で数千台の車検に携わってきました。

本記事では、「検査で実際に何を見て、どこで引っかかるのか」を15項目に整理してお伝えします。整備士・ディーラーが言わないこともあります。これを読めば、車検前に自分でチェックできるポイントが明確になります。

そもそも「車検で落ちる」とは

車検(継続検査)では、保安基準に適合しているかを検査員が判定します。不適合と判断されれば「不合格=落ちる」で、直してから受け直す必要があります。

ユーザー車検で持ち込む運輸支局(検査は自動車技術総合機構が担当。軽自動車は軽自動車検査協会)でも、ディーラーや民間車検場などの指定工場の検査ラインでも、判定に使う基準(保安基準)は同じです。検査はおおむね次の流れで進みます:

  1. 受付・書類確認
  2. 外観検査(車台番号などの同一性確認・灯火類・ガラス・タイヤ等)
  3. サイドスリップ検査
  4. ブレーキテスター
  5. スピードメーター検査
  6. ヘッドライト光量・光軸検査
  7. 排ガス検査
  8. 下廻り検査(ピット)
  9. 総合判定

2024年10月(輸入車は2025年10月)からは、対象車にOBD検査(故障コードの確認)も加わっています。このうちどこか1箇所でも不適合なら不合格です。では、検査員の視点で「実際によく落ちる15項目」を解説します。

① ヘッドライトの光量不足・光軸ズレ

不合格で一番多いのがライト関連です。私が検査ラインを担当していた頃も、検査で引っかかる車はライトが一番多いというのが現場の実感でした。

主な原因

  • レンズの黄ばみ・くすみ → 光が散って光量が落ちる
  • バルブの劣化(ハロゲンの白化、HIDのバーナー劣化)
  • 後付けLED/HIDの光軸ズレ・色温度オーバー
  • レンズ内側の曇り(湿気混入)

検査員視点の本音

平成10年(1998年)9月以降に作られた車は、2026年8月1日から全国でロービームだけで判定されるようになりました。以前あった「ロービームで測れなければハイビームで測り直す」救済はなくなっています。「前回通ったから今回も大丈夫」は通用しません。

対策

  • レンズの黄ばみ除去(コンパウンド・専用クリーナー)
  • バルブを新品に交換(左右同時)
  • 後付けLEDは「車検対応」と明記された製品を選ぶ
  • 事前にテスター屋(予備検査場)で光軸を確認・調整(料金は店によって違うので事前に確認を)

② タイヤの摩耗・スリップサイン露出

タイヤの溝が1.6mm未満(スリップサイン露出)で即不合格。意外と気づかない方が多い項目です。

特に偏摩耗(内側だけ摩耗、片べり)は要注意。アライメント不良・空気圧不足で発生します。

検査員視点の本音

タイヤの溝は、どこか1か所でも1.6mm未満なら不適合です。サイドのひび割れも見ます。年数で決まるわけではありませんが、溝が残っていても深い亀裂やコードが見える損傷があれば不合格です。古いタイヤほどひびが深くなりやすいので、「サイドウォールの製造年週」を確認するのが整備士の習慣です。

③ ワイパーの拭き残し・ゴム劣化

ワイパーで「視野が確保できない」と判断されると不合格。具体的には:

  • ゴムが切れている/めくれている
  • 拭き取り跡にスジが残る
  • 運転席側の視界に大きな曇り跡

ワイパーゴムのような安い消耗品で落とされるのは正直もったいない。車検前に必ず動作確認を。

④ ホーンの音量・音色不適合

ホーンは音の大きさと音色が一定であることが基準です。メロディが流れる・「ピロピロ」と音が変わるホーンは不合格。社外品でも、一定の音で音量が基準内なら問題ありません。

また、ホーンが鳴らないだけでも不合格。意外な落とし穴ですが、リレー不良で鳴らないケースが年に何件かあります。

⑤ 車高の不適合(特に最低地上高)

最低地上高9cm未満で不合格(空車状態で測ります)。ローダウンした車やエアロパーツ装着車は要注意です。なお、一部の樹脂製エアロなど、測定の対象から外れる部分もあります。

検査員視点の本音

車高を下げた車は、検査ラインに入ってきた時点で「これは測らないと分からないな」と見当がつきます。「たぶん大丈夫」で持ち込まず、メジャーで一番低いところを測ってから受けてください。ギリギリの車は、検査の前に車高を少し上げておくのが確実です。

⑥ マフラーからの排ガス基準値オーバー

ガソリン車は、アイドリング時のCO(一酸化炭素)・HC(炭化水素)の濃度が基準を超えると不合格。下の値は比較的新しい車(平成10年規制以降)の基準で、古い車はもっとゆるい値です。ディーゼル車はCO・HCではなく、黒煙(オパシメータ)で判定します。

項目 基準値
CO濃度 1.0%以下(年式により異なる)
HC濃度 300ppm以下(年式により異なる)

主な原因

  • O2センサー劣化
  • 触媒(キャタライザー)の機能低下
  • プラグ・点火系不調
  • エアフィルター詰まり

10万km超え車は要注意。事前に整備しておくのが鉄則です。

⑦ ブレーキの効き不足・左右差

ブレーキテスターで「制動力不足」「左右差過大」と判定されると不合格。普段の運転では気づきにくい落とし穴です。

検査員視点の本音

「左右差」が一番厄介です。片側のキャリパー固着やピストンの戻り不良、引きずりがあると一発で出ます。「自分でパッド交換した直後の車検」で意外と落ちます。スライドピンやピストンの固着を直さないまま、パッドだけ替えて組んだケースです。

⑧ 灯火類の球切れ(テールランプ・ブレーキランプ・ウインカー)

意外と多い落ち項目。テール・ブレーキ・ウインカーは左右どちらか片方が切れていても不合格です。ナンバー灯・バックランプ・車幅灯(ポジション)の球切れも対象です。

一方、乗用車の室内灯(ルームランプ)は保安基準で装備が義務付けられていないので、球切れでは不合格になりません。ただし、後ろから赤く見える室内灯や、点滅したり色が変わったりする社外LEDは、灯火の色・点滅の規定に引っかかって不合格になることがあります。

検査員視点の本音

外観検査では最初に灯火類を確認します。「ブレーキランプが片方切れている」だけで不合格になるのは本当にもったいない。事前に全灯火を確認してください。ブレーキランプとバックランプは1人だと見えないので、家族に後ろで見てもらうか、夜に壁やガラスに映して確認するのが簡単です。

⑨ 後付けパーツによる保安基準違反

  • 車検非対応のドアミラー(小型化された社外品)
  • 明らかに視界を遮るカーフィルム(フロント3面は可視光線透過率70%以上必須)
  • テール周辺の貼り付け式LED(灯火の色・数・位置の規定に違反しやすい)
  • 違反マフラー(音量オーバー、またはインナーサイレンサーが簡単に外せる構造。2010年4月以降に作られた車は、認証プレート付きなど基準適合を示せる製品が必要)
  • 鋭い突起物(ボンネットマスコット等。外部突起の規定)

検査員視点の本音

「これでバレないだろう」は通用しません。検査員はそういう改造車を毎日見ているので、すぐに分かります。

⑩ オイル漏れ・冷却水漏れ

下廻り検査で漏れが確認されると不合格。「滲み」と「垂れる漏れ」は別判断ですが、地面に落ちるレベルの漏れは即アウトです。

主な発生箇所

  • エンジンオイルパン・カムカバー
  • ATFパン・ドレンボルト
  • パワステフルードのホース
  • ラジエターホース・ウォーターポンプ

⑪ ブーツ類の破れ(ドラシャ・タイロッド・ロアアーム)

下廻り検査の重要ポイント。ブーツの破れは1か所でも不合格です。

  • ドライブシャフトブーツ(インナー・アウター)
  • タイロッドエンドブーツ
  • ロアボールジョイントブーツ
  • ステアリングラックブーツ

表面の細かいひびだけなら不合格ではありませんが、古い車は劣化で亀裂が深くなり、破れてグリスが漏れやすくなります。車検前にリフトアップしてチェックするのが整備士の常識です。

⑫ 警告灯の点灯(エアバッグ・ABS・ブレーキ・エンジンなど)

2017年2月から審査の基準が明確になり、エアバッグ・ブレーキ・ABS・エンジンなどの警告灯が点灯していると不合格になりました。それ以前は基準に明記がなく、扱いがはっきりしていなかった項目です。

検査員視点の本音

「警告灯点いてるけど普通に走るから大丈夫」は今は通用しません。さらに2024年10月(輸入車は2025年10月)からはOBD検査が始まり、対象の新しい車(国産車は2021年10月以降の新型車)は、警告灯が消えていても故障コードが残っていれば不合格になります。

⑬ ナンバープレートの折れ・汚れ・封印破損

  • ナンバープレートの折り曲げ・取り付け角度違反(角度やフレームの基準は2021年4月以降に登録された車が対象)
  • 後ろナンバーの封印の破損・脱落(ナンバーが正しく付いていることを示すアルミのキャップ。軽自動車には封印はありません)
  • ナンバープレートカバーの装着(2016年4月から禁止)
  • ナンバー灯の球切れ(⑧参照)

地味だが意外と落ちる項目です。

⑭ 速度計(スピードメーター)誤差

スピードメーターの誤差が許容範囲を超えると不合格。判定はメーターが40km/hを指したときの実際の速度で行い、平成19年(2007年)以降に作られた車は約30.9〜42.5km/h(それ以前の車は約30.9〜44.4km/h)に入っていれば合格です。

主な原因

  • タイヤサイズ変更(インチアップ・社外サイズ)
  • タイヤ摩耗による外径減少
  • センサー不良

インチアップ時はタイヤサイズ比較計算ツールで速度誤差を必ず確認しましょう。

⑮ 発炎筒(非常信号用具)の未搭載・不良

発炎筒などの非常信号用具は搭載が義務で、無い・使えない状態だと不合格です。助手席の足元にあるのが一般的ですが、中古車や車内を片付けた車で外されていることがあります。

なお、筒に書かれている有効期限は合否の基準ではありませんが、期限切れは着火しないおそれがあるので交換しておくのが安心です。LED式の非常信号灯に替える場合は、保安基準に適合した製品を選んでください。

ちなみに、定期点検整備記録簿は検査の合否には関係しません(ユーザー車検は点検を後で行う「後整備」でも受けられます)。ただし点検整備そのものは法律上の義務なので、前整備でも後整備でも必ず実施して記録を残しましょう。

📋 車検前セルフチェックリスト(コピーして使用OK)

項目 チェック
ヘッドライトの黄ばみ・点灯確認 □
タイヤ溝(1.6mm以上)・ひび割れ □
ワイパー拭き取り確認 □
ホーン作動確認 □
最低地上高(9cm以上) □
マフラー音量・排ガス □
ブレーキ効き・引きずり □
全灯火類の球切れチェック □
後付けパーツの基準適合 □
オイル・冷却水漏れ □
ブーツ類の破れ □
警告灯(エアバッグ・ABS・ブレーキ・エンジン等)の有無 □
ナンバープレート・封印 □
スピードメーター誤差(タイヤ変更時) □
発炎筒(非常信号用具)の搭載 □

🔧 整備士naoの本音:費用を抑える3つのコツ

1. ユーザー車検なら代行手数料のぶん安くなる

自賠責保険料・重量税・検査手数料などの法定費用は、どこで受けても同じです。差が出るのは「車検代行手数料・整備工賃」。自分で運輸支局に持ち込めば、代行手数料はまるごと節約できます。ただし点検整備は別に必要なので、整備を自分でするか、どこかに頼むかで差額は変わります。詳しくは ユーザー車検 完全マニュアル へ。

2. 自分でできる事前点検でほぼ防げる

本記事の15項目は、10項目以上は素人でも目視チェック可能です。「車検前に自分で1時間かけてチェック」だけで、当日の不合格率は劇的に下がります。

3. 不合格になっても、その日のうちなら受け直せる

意外と知られていませんが、運輸支局で不合格になっても、当日中なら追加の手数料なしで受け直せます(1日に受けられる回数には制限があります)。翌日以降になる場合は「限定自動車検査証」を出してもらえば、15日以内に不合格の箇所だけを再検査できます(この場合は検査手数料が改めてかかります)。なお、限定自動車検査証があっても、車検の有効期間が切れた車で公道は走れません。「ダメだ」と諦めず、直して受け直せば良いだけです。

よくある質問

Q. 検査員は冷たい人ばかり?

そんなことはありません。不合格のときは、どこが基準に合わなかったのかを教えてもらえます。検査員は「落とす」のが仕事ではなく「保安基準を守る」のが仕事です。分からないことは質問すれば答えてくれます。

Q. ユーザー車検は素人には無理?

事前準備さえすれば、初心者でも十分通せます。「予備検査場(テスター屋)」でライトの光軸などをチェックしてから本番に行くと安心です(料金は店によって違います)。

Q. 警告灯がついた状態で車検場に行ったら?

エアバッグ・ブレーキ・ABS・エンジンなどの警告灯が点いていれば不合格です。それ以外の警告灯も故障のサインなので、事前に原因を診断・修理してから受検してください。OBD2診断機があれば自分で原因特定可能です(OBD2診断機の使い方 参照)。

Q. 「車検残り1ヶ月以上ある場合の前倒し受検」は?

2025年4月から、有効期間の満了日の2か月前〜満了日までに受検すれば、残りの期間は損になりません(以前は1か月前からでした)。それより早く受けると、受けた日から新しい有効期間が始まるので注意してください。

整備士からのまとめ

  1. 特に引っかかりやすいのはヘッドライト・タイヤ・ブレーキ
  2. 素人でも目視チェック可能な項目が多い
  3. 事前にテスター屋(予備検査場)で確認すれば安心
  4. 不合格でも当日中なら受け直せる。翌日以降は限定自動車検査証で15日以内に再検査
  5. ユーザー車検なら代行手数料のぶん節約になる(点検整備は別途必要)

車検は「落とすため」のものではなく「安全な車だけを公道に出すため」の仕組みです。検査員視点で見れば、本気で安全運転を考えている人ほど自然と通るし、明らかに整備不良の車は当然落ちる、というシンプルな話。

本記事のチェックリストを使って、安心して車検に臨んでください。

⚡ 記事監修:1級自動車整備士 / 元ディーラー自動車検査員 nao|sps-nk.com

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この記事を書いた人

整備士 nao(ナオ)

1級自動車整備士・元自動車検査員|整備歴15年。ディーラーで整備士から自動車検査員までを経験し、現在は民間整備工場で日々現場作業を続けています。「家族にすすめられる整備情報だけを発信する」がモットー。
国家1級整備士
元自動車検査員
整備歴15年

本記事の内容は整備マニュアル・メーカーサービス情報・現場経験に基づき執筆。プロメンテ(sps-nk.com)では実車写真と動画を交えた一次情報を発信しています。

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